先輩のインタビュー:後藤 聡子さん(地域コアリーダープログラム)

事業応募時の年齢 : 40歳(地方公務員) 

著者:左端

事業に応募した動機は何ですか?

学校作業療法士として教育委員会に勤めています。全国的にもまだ数少ない仕事であり、先進事例も少なく、職場にも同じ仕事をする同僚がいないため、常に手探りで仕事に取り組んでいました。3年目を終え、仕事に慣れてきたこともあり、新しい視点を取り入れて、より良い学校作業療法士のあり方を探っていきたいと考えるようになっていました。また、現在は重度の障害を持つ子供達も地域の学校に通うようになってきています。そんな状況の中で、先生方や他職種の方達とどのように連携を取っていくことが必要なのかを探っていきたい、そして、どの子も学校で輝いた生活ができるように支援したいと考え、応募しました。

事業に参加してどんな事を感じましたか?

「当たり前は存在しない」
いつもそう思っているのですが、実際に海外で現状を真のあたりにすると、歴史や国民性、考え方の違いに驚かされました。
また、「障害を持っている人をその人の背景情報だけで判断してはいけない 」
そう考えていたつもりですが、日本の基盤の中で、日本人としての考え方の枠にどっぷり浸かっていたことに気づかされました。
フィンランドの、『障害のために生活に対するニーズのある人が障害者』という考えは驚きでした。「障害があるから」ではなく、「私がこういう生活をしたいから」障害福祉サービスを使っているというロジック。 障害者自身が自分たちの生活のために主体者として声を上げている力強さ。
新しい発見がたくさんあり、少しづつでも自分の仕事の中で取り組んでいけることをやっていきたいと感じました。

事業での経験はあなたの人生にどのように影響していますか?

内閣府の青年国際交流事業に参加したのは、今回で2回目になります。
1回目は、22歳で経験した第13回世界青年の船。同じ年の外国青年に比べ、自分自身が本当に幼稚で、何事もなし得ない小さな存在に感じました。そこから、本当に何がやりたいのか、どうすれば理想を現実にできるのか、真剣に考えるようになりました。
それから18年、障害者に関わる仕事をすることが、自分のやりたい事だと考え、キャリアを重ねてきました。その中で、 時折IYEOの活動を通じ、招聘青年のアテンドをするなど、国際交流活動を続けてきました。国際交流の中で感じる異文化を知る感覚と、障害を持つ人の文化を知る感覚に、共通する気付きがあると私は考えています。そのため、国際交流活動は、私自身の障害者支援への自己確認の場となり、生活の一部となりました。
そして、2018年、40歳の節目にとNPOマネージメントフォーラムと地域コアリーダープログラムへ参加することができました。障害者分野で専門的に働いている方々との交流はとても刺激的でした。日本人参加青年との交流であっても、全く違った視点を持っていることを知ったり、まだまだ自分自身の勉強が足りないことに気づかされました。 これからもこのネットワークを通じ、たくさんの学びを得ていきたいと考えています。

応募を考えている方へのメッセージ

『何が起こるかわからないから、面白い』
それが、内閣府が行う国際交流事業の良さだと思います。楽しいだけでない、自分自身を試され成長できる場です。帰国した時に、一回りも二回りも成長できる絶好のチャンスです。ぜひ積極的にご参加ください。

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