先輩のインタビュー:川合 裕己さん(世界青年の船)

事業応募時の年齢 : 20才(大学生) 

事業に応募した動機は何ですか?

この事業のことは既参加青年である母より小さい頃から聞かされており、いつか自分もあの船に乗るんだと幼心に感じていた事を覚えています。大学生になり、留学生と過ごす日々や海外旅行を重ねる中で、自分がいかに閉ざされた環境で生活をしているか、既成の枠にとらわれた生き方をしているかということについて考えさせられるようになりました。そんな時に第30回世界青年の船(SWY30)に参加し、日本に帰国したばかりの姉と話す機会があり、このまま今の環境の中で燻っていては勿体ない、参加するならばこのタイミングだと強く感じました。これが参加を決意した瞬間でした。

事業に参加してどんな事を感じましたか?

「地球は想像していたよりもずっと大きいけれど、世界は案外小さいのかもしれない」 ポエマーっぽくて恥ずかしいのですが、これは私が太平洋を眺めながらふと考えていたことであり、私の中でのSWYをうまく説明しているような気がします。どこまでも広がる水平線や真っ赤に染まる夕日を眺める毎日は、地球の大きさと人間のちっぽけさを痛感する毎日でもありました。その一方で、宗教や文化などお互いの間にある「違い」に対する疑問を納得するまでとことん話し合い、その「違い」を認め合う過程をたくさん経験するうちに、彼らと自分との距離、大げさに言えば世界と自分との距離がぐっと縮まっていくような感覚を得ました。特に宗教についてはプライバシーに関わり、様々な事件やテロが問題になっている現在において、国際的な場面では話す事自体がタブーになり得る内容でもあります。しかし、参加青年から「何でも聞いてほしい。聞かない限り君は何も知る事ができない」と言われ、特に多くの時間をかけて話し合う事ができました。どれほど見た目や言語、文化が違っていても、相手のことを知ろうとする気持ちが無くならない限り、人は理解し合えると改めて実感する事ができた1ヶ月半でした。

事業での経験はあなたの人生にどのように影響していますか?

自分の生活の中にSWYという存在がいつもあることで、視野と意識が自然と外向きになっているように感じます。今までは気の向いた時に見る程度だったニュースも毎日見るようになり、環境問題や難民問題など、地球規模で考えなければならない問題に対しては特に敏感に情報を集めるようになりました。世界のどこかで起こっている問題が、船上で一緒に生活していた誰かの問題であるかもしれないと考えるようになったからだと思います。世の中の出来事に対して当事者意識を持てるようになったことはこのSWYが今の僕にもたらしてくれている一つの恩恵だと感じています。

応募を考えている方へのメッセージ

地方の学生を代表してこの文章を投稿させて頂くことになっているため、ここでは特にそういった学生の方に対してのメッセージを述べさせてください。

私はこの事業に参加して、地方に住んでいる学生こそこのようなプログラムに参加するべきだと強く感じました。これには2つの理由があります。 一つ目はやはり地方に住んでいると得られる情報・出会える人に限りがあると思うからです。この事業を通して、参加しなければ一生出会うことはなかったであろう、面白い人・変わった人・ユニークな人にたくさん出会うことができました。必要不可欠だとは思いませんが、大学生のうちにたくさんの人に出会い、色々な生き方を知り、自分の人生の選択肢をたくさん作っておくことはとても大切なことなのではないかと個人的に強く感じています。 二つ目は、東京や京都以外の地方の魅了をもっと世界に向けて発信していく必要があると感じたからです。私は九州出身で、九州の特産品を紹介するブースに携わっていたのですが、「日本にはこんな場所もあったのか!」という声を参加青年から多く聞きました。 自分の地元を知ってもらう・楽しんでもらうことは、その地で育った若者が担うべき誇らしいことであると思います。日本にまだまだたくさんある地方の魅力を積極的に海外の人へ広めていく必要があるなと実感しました。 最後は少し堅苦しい内容になってしまいましたが、ただ純粋に「楽しそう!」という気持ちでこの事業に参加しても私は良いと思います。様々な壁や困難に直面することもあるかと思いますが、きっと想像しているよりも何十倍も楽しくて、世界をぐっと身近に感じることができるようになると思います。

人生で1度しか体験できない夢のような船旅をぜひ!

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