第45回内閣府「東南アジア青年の船」事業報告会 レポート

平成30年度内閣府青年国際交流事業 第45回「東南アジア青年の船」事業の報告会を先日2月24日(日)に開催致しました。

本事業報告会のテーマは「Discovery ~心が震えた。見えなかったものが見えた。世界が変わった~。」でした。52日間の東南アジア10か国の青年、約320人との航海は、毎日が刺激にあふれていました。東南アジアの豊かな文化や歴史を学び‘発見’すると共に、日本代表青年として参加した自分自身を見つめなおし、新たな自分の一面や可能性を‘発見’することができました。発見を通して成長した私たちには、12月ににっぽん丸を下船するとき世界が変わって見えました。そのような心が震えた瞬間、成長した私たちの姿や、私たちが今後どのように社会に貢献していくのかをお伝えしたい、という思いをテーマに込めました。

プログラムはJASEANクイズから始まりました。本事業を通して日本や東南アジアの国々について発見したことをクイズにしたものです。国旗や民族衣装、お米の消費量など文化を体感できる内容となっており、会場はあたたかな雰囲気に包まれました。中には全問正解された方もいらっしゃり、東南アジアにまつわる景品がプレゼントされました。

6名の参加青年によるパネルディスカッションでは、心が震えた瞬間、発見したことや自分自身の成長、そして今後の展望について語られました。パネリストの参加青年はどのように自分の体験をわかりやすく伝えるか、自問自答を繰り返していました。自分の思いや体験を言語化していく中で、より一層自分自身の成長や異文化への理解を深めることができてよい経験になったとパネリストの参加青年も振り返っています。また、参加青年同士でも深くお互いの体験を語り合う場が少なかったため、パネリストの発言を聞くと自分の経験と共鳴し胸が熱くなると共に、日本参加青年はそれぞれ悩みながら共に成長してきた‘仲間’であるのだと改めて感じました。ご来場の方々も、熱心にパネリストの話に深くうなずきながら耳を傾けてくださり、普段なかなか語られることのない参加青年のリアルな生の声をお届けすることができました。

そして、事後活動として3つのプロジェクトを紹介しました。1つ目の#I am a peace warrior プロジェクトはにっぽん丸乗船中に全参加青年を対象に行われたものです。日本国内活動の地方プログラムで交流した岡山県の日比中学校の生徒の方と協働で千羽鶴を作成し、乗船中にかいた「平和へのメッセージ」ボードと共に広島県平和記念公園に献納し平和への理解を深めました。2つ目の日タイ交流キャンププログラムは3月23日、24日に行われる予定です。福島県いわき市で日本とタイの青年が1泊2日でキャンプを行い交流を深めます。ソーラン節を踊ったり、タイの参加青年によるナショナルプレゼンテーションやセミナーが行われる予定でSSEAYPの活動を凝縮したものになっています。3つ目のSee You Soonプロジェクトは日本の中高生とブルネイ、ミャンマーの学生で手紙交換を行なうことで国際交流を図り、日本の中高生に世界へと目を向けてもらうことを目的としています。手紙交換だけでなく中高生が実際に現地を訪れたり、日本でも学びを深められるようなコミュニティ作りも行っていく予定です。どのプロジェクトにも共通するのは事業を通して得た発見、数々の出会いや構築した絆を、事業終了後もつなげていきたい、日本中に広めていきたいという思いです。事業終了後2か月という短い時間の中で動き出したプロジェクトを報告会という場で発表することができてうれしく思います。今後も、東南アジアと日本の友好と、事業で得たものを私たちの回りの地域に還元していけるよう、参加青年全員で活動を行っていきたいと考えております。

最後に行われた相談会では、会場を自由に歩き回り交流する姿が見られました。熱心に選考について聞く方もいらっしゃり、この報告会が次の参加青年の力になれれば幸いです。また、各国の民族衣装や船内での活動をまとめた展示ブースも盛況で、参加国や活動の様子をより詳細にお伝えすることができました。

この事業報告会は私たち第45回東南アジア青年の船事業参加青年の集大成であり、12月に下船してから約2か月間準備を重ねてきました。準備期間も含めこの報告会を通して私たちは自分たちの経験、思いや成長を冷静に振り返ると共に、52日間の活動を共にした仲間の存在を改めて感じることができました。これをもって私たちの活動は一区切りつくことになりますが、事業を通して得た学び、絆、‘発見’を今後自分自身の更なる成長と、社会貢献活動へとつなげていきます。

最後にはなりますが、お忙しい中場に足を運んでくださった方々、そして報告会開催に当たり様々な面でご助力いただいた内閣府、一般財団法人青少年国際交流推進センター、日本青年国際交流機構の皆さま、ありがとうございました。

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