R1ブロック大会・全国大会テーマ一覧

『ともに学び、ともに育ち、ともに生きる ~徳島から広げよう、世界と繋がる力~』 (徳島)

「第4次産業革命」「人生100年時代」「グローバル化」が進む中、世界は「課題解決・変革型人材」の輩出に向けた能力開発競争の時代を迎え、各国でも就学前・初中等・高等・リカレント教育の各段階における革新的な能力開発を活用した「学びの革命」が進んでいる。

こうした中、日本経済・地域経済・中小企業等、多様な分野で人材を育むべく、学校教育・企業研修・地域づくり等の現場において、互いに刺激を受けながら学び合う環境を整えていく必要がある。あらゆる分野の知を融合しながら、グローバルな視点を持ちローカルで活躍できる人材を育成することが重要とされている。

その一例として、平成25年(2013年)から、海外に向けて、主にカンボジアで学校の自立支援や交通渋滞調査等の活動をしている県立徳島商業高等学校ビジネス研究部、学校と連携し現地とのパイプ役を担いながら、活動の資金調達やコーディネーターとして現地及び国内で共に活動しているNPO法人TOKUSHIMA雪花菜工房の先進的な事例を紹介する。一つの具体的な海外プロジェクトを通じて人材が育成され、その人材によってプロジェクトは継続していくとともに、共生社会の実現に向けての力となることを示す好事例であると思われる。

また、青年海外協力隊員としてチリに派遣され、現在は阿波市観光協会事務局長として国際的な視点を持って地域振興に取り組んでいる稲井由美氏より、御自身の経験を踏まえて阿波市で進めてきた地域活性化の取組について伺い、さらに、参加者全員によるワークショップを通じて、各自の気付きを促し、世界とのつながりを再認識することで、地域で活動するヒントや刺激を得る機会となることを目的とする。

「震災復興から学ぶ人づくりと地域づくり」 (宮城)

 日本の地方創生には、地域資源を活用した、積極的な交流人口を増やす取組が大切であると考える。地域づくりとそれを担う人づくりは、今やどの地方でも課題となっている。

  2011年の東日本大震災からの復興で顕在化した課題も、まさに魅力ある地域づくりと人材育成である。特に、最大の被災地石巻では、地域への未来に危機感を持った企業経営者や多くの人たちが立ち上がり、同業者や他業種でネットワークを作り、地域の担い手育成や活性化を目指して動き出している。

 今回の集いでは、石巻を代表する人材育成と地域活性化を実施している企業の湊水産株式会社の代表取締役木村一成氏に、石巻の基幹産業である水産加工の湊水産株式会社の取組を通して、震災をどのように乗り越え、復興を成し遂げてきたか、震災後、社屋の再建を機に始めた体験型食育プログラムがなぜ人づくりや地域づくりにつながっているのか、企業として人材育成をするために意識していることは何かを、講話と食育プログラムの体験を通じて学ぶ。

また、子供から大人まで、言葉が通じなくても、誰もが協力し合って、楽しめる食育イベントを、国際交流団体Tigmiの協力を得ながら、外国人と共に体験し、人づくりと地域づくりについての意見交換を通して共に考え、学びを深めていく。

『不易流行』~古都の伝統を基軸とした新たな挑戦~(京都・全国)

京都には、先人たちが長年かけて培ってきた「心の作法」が残っており、学術、伝統文化 ・工芸、宗教、芸術の各分野にわたって日本を代表する英知・風土が育まれてきた。「心の作法」とは、古き良きものを継承しながらも新しいものを受け入れ、その時代時代 にあった新しさと面白さを追求したものである。それらは時に、歴史により育まれた伝統が 、流行によってその本質を見失ってしまうのではないかという不安やジレンマをも抱える。しかし、そのように育まれた風土は、確実に革新的な組織や活動を育む土壌となり、結果として、1000年続く企業・団体・文化を育てた。伝統と革新のバランスこそが大事であり、それこそが京都の哲学である。脈々と続く伝統の本質を、その時代に生きる人々の文脈に「翻訳」し直し、新たな価値を生み出しながら継承させている。また京都市は、平成20年より「京都市国際化推進プラン~多文化が息づくまちづくりを目指して~」と題し、国際化を推進している。伝統息づく文化を基軸に据え、古都京都の魅力を活かし国際化に向けて進行している新たな挑戦を知ることで、時代の変化とグローバル社会を生き抜くための秘訣について考えたい。
本大会では、日本の歴史に深く関係してきた仏教信仰に関して、伝統を重んじながらも、様々なツールを工夫する事で新たなつながりと価値の創造に奮闘されている池口龍法氏から、これまでに実践されてきた取組について御講演いただく。
分科会では、伝統を持つ企業、文化施設、寺社仏閣への訪問や、ものづくり体験をすることで、文化の継承と革新についてより具体的な知識を深められる場とする。これらの活動を通じ、各地域の青少年育成・国際交流・地域貢献活動において継承しなければならない核となる本質を見定めるとともに、今後、時代に合わせた革新をどのように行っていけばよいのかについて考察するきっかけとなることを期待する。

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