H29ブロック大会・全国大会のテーマ一覧

ローカルプロジェクトで日本を「かませ」地域×コラボで輝きを放つローカルプレイヤー(岩手)

現在、我が国では地方消滅という日本創成会議の提言がなされたように少子高齢化、人口減少が大きな問題となっており、こうした流れは国内のみならず海外の先進国を中心に広がってゆく予測が示されている。
もはや人口減少問題は日本だけの問題では無いが、そうした時代にありながら地方において、食や伝統文化など地域が持ちうる魅力を巧みに織り交ぜた取組みが注目を集めており、ローカル発の小さなプロジェクトが全国的なムーブメントに発展し世界から注目を集めるなどの動きも起きつつある。こうした動きは地域活動の活性化のみならず産業興しといった流れにも結び付いており、自分らしい生き方や住環境の変化を求めて地方に活躍の場を求める都市から地方への人の流れも生まれ始めている。
 国際交流事業は世界各国の青年たちとの出会いを通じて、異文化・多様性を感じる機会となるが、同時に自分が生まれ育った地域の価値も浮き彫りとする。国際交流事業を通じて多様な価値観を得た青年達は大きな可能性を秘めていることから、地域で活躍するプレイヤーとの出会いや、ダイナミックなプロジェクトを体感することで、各々の立場で具体的な活動を始める一歩に繋げることを狙うとともに、地域の中で人財として輝き、地域をかまし(かき混ぜ)インパクトを与えながら、ひいては自分自身の強みにすることで、人が輝き、地域が輝く好循環の創造と加速を期待する。

「富士の国山梨 耕そう 蒔こう 育てよう この地から始まる未来への道」(山梨)

山梨は全国の先駆けとなり、ともに生きる社会をめざして「耕そう 蒔こう 育てよう」を基本理念とし、昭和52年から「県民ボランティア運動」が公私協働で推進されてきた。
現在、地域におけるつながりの希薄化が懸念され、子ども・若者の育成支援を支える共助の取り組みの促進がますます必要とされている。グローバルな視点を持ち、創造的な未来を切り拓く若者を育成していくために、国際交流事業に参加した青年はサポーター役となり、派遣により得られた経験を、次世代を担う子どもたちに還元していきたい。
今ブロック大会では、山梨県韮崎市を舞台に、13歳から18歳を対象にした中高生の交流拠点「Miacis(ミアキス)」をプロデュースし、施設長を兼任するNPO法人河原部社の理事である西田遙さんを招き、子どもたちが地域や大人とのつながりを持てる場を、市民と行政が寄り添うかたちで運営している様子について学ぶ。
さらに分科会においては、2万本の桑の苗を植え、耕作放棄地の桑畑を再生、2013年にはフィリピンパンパンガ国立農業大学と提携を開始し、海外における農業振興支援を行う韓国出身のハンソンミンさんの取り組みについて紹介していただく。
地域活性の原動力となる若者がいきいきと活躍する社会の実現のために私たちがどんな苗場づくりをしていけばよいのか、共に考える機会とする。

東海グローバルユースリーダーズサミット ~世界と世代を地域で結ぶ二日間、未来を担う東海の若者たちと世界を語ろう~(三重)

本大会では、内閣府が主催する青年国際交流事業の他、文部科学省主管の「トビタテ!留学JAPAN」や県や市町などの地方自治体が実施してきた国際的な事業の参加経験者が事業の垣根を越えて集い、交流を通じてそれぞれの経験を共有することから地域におけるグローカル活動の協働へと歩を進めることを目的とする。
 その趣旨から国際的な事業を経験した高校生・大学生・社会人といった多世代によるパネルディスカッションを実施し、国や県の代表として世界を見てきた経験、そして、それらの経験を自分の人生や地域に対してどう活かしていくかについて話し合う機会とする。
 さらに分科会では、事業参加や事後の活動に役立つワークショップやセミナーを用意する。また三重県の伝統文化を知ってもらうために忍者や伊賀組紐についても取り上げる。また国宝に指定されている専修寺隣接施設を会場としており、大会の参加を通じて、地域の歴史にも触れてもらいたいと考えている。
 グローバルな経験を通じて、得た知見を持って、どうローカルの課題に向き合い、キャリアを構築していけばいいのか。様々な世代と分野の交流を通じ、共に考える機会とする。

平和と尊い命のために、今、国際交流を考える(和歌山)

国際交流や国際親善が世界中で注目を浴び、その大切さをみんなが認識しているにもかかわらず、一方では国際紛争が勃発し、核開発疑惑や国際的な緊張状況が続いている。それぞれの国が抱えている課題や歴史があるなかで、世界は理想通りの平和で明るい方向に向かっているとは言いがたいのが現実である。 しかし、私たちは様々な課題に対応すべく研究を重ね「国際交流」をツールとして理想の平和社会の構築と国際親善の促進して行くことを目指していきたいと考えている。今回は、国際交流をテーマに米国ニューヨークに27年間の在住経験のある源和子氏を基調講演に招き、国際交流を推進し、平和と尊い命について考える機会とした。

『国際交流活動を通して、持続可能な社会をつくろう』~東西融合する倉敷美観地区で地域の国際交流について考える~(岡山・全国)

グローバル化が進む現代においては、様々な物事が国境を越えた動きとなり、世界の出来事が地 域に影響し、地域からの発信が世界をめぐります。こうした時代において、国や地域の代表として国際社会での体験を得た青少年たちの果たす役割はますます大きくなっています。全国の皆さんと ともに、人材育成を基本としつつ、あらゆる分野を題材にして活動に取り組み、世界とのつながりによって自国の各分野を活性化するために貢献できる力を結集しましょう。本大会では、ESD と東西融合の風土がある岡山・倉敷で、持続可能な社会づくりを推進している方々による基調講演会や分科会、事後活動報告などを通して、IYEO の活動とESD という世界共通認識が繋がっていることを確認し、私たち一人一人や各団体がそれぞれの状況で、地域の課題をどのように解決できるかを考えるとともに、自らが持続可能な社会づくりの担い手だという意識をより高くして行動化することをめざします。 ESD(Education for Sustainable Development: 持続可能な開発のための教育)とは、「将来の世代を含む誰もが安心して暮らせる社会をめざして、環境、経済、社会など様々な問題を自分のこととしてとらえ、あらゆる世代で学び合い、よりよい地域づくりに取り組む人の輪を広げ、未来のことを考え行動する人づくりの取組」(岡山市HP)です。岡山市では、2005 年「国連ESD の10年」をきっかけに、「岡山ESD 推進協議会」を結成し、その後も公民館、学校、地域活動、NPO、大学、企業など多様なセクターや関係者がゆるやかにつながり、「岡山ESD プロジェクト」を推進しています。また、倉敷市は1642 年に江戸時代幕府直轄地である天領となり、漆屋作りの町屋や白壁土蔵造りを中心とする町並みや繊維産業の発展などで栄えた後、その再興において、大原孫三郎氏をはじめ地元の社会実業家が中心となり、西洋文化も取り入れながら、倉敷紡績(クラボウ)、大原美術館、倉敷中央病院、私立倉敷補修学校(現:倉敷商業高校)の設置、倉敷美観地区の町並み保存や人材育成などの地域課題に取り組んできたのです。岡山・倉敷におけるこうした取り組みは、国際的な視点やユース・人材育成を重視したIYEO の活動と同じく、まさにESD の実践
といえます。

  以上の趣旨をふまえて、基調講演には公益財団法人大原美術館名誉館長大原謙一郎氏をお迎えし、「大原美術館の働き方-持続可能な社会に向けて-」と題しお話をいただきます。また、「暮らしと持続可能性」「文化・知恵の継承」「地域の価値発見」「平和と交流」をサブテーマに11分科会を設定しました。地域活動や国際交流活動が持続可能な社会づくりの担い手を育成する活動になるべく参加者同士でネットワークやアイディアを共有するとともに、ESD やSDGs
(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)の世界的な視野をもって、これからのそれぞれの地域でIYEO として活動することを確認します。

『ゆるキャラを通じた地域活性』 ~ゆるいからこそつながれる~(愛媛)

ここ数年、特に昨年から今年にかけて、世界は大きく変わろうとしています。イギリスのEU離脱、アメリカ大統領選挙という二つの象徴的な出来事を経て、オックスフォード辞書はこの現象を「ポスト真実」という言葉で表現しました。世界、そして日本を見渡せば、民族や宗教の違い、世代間の違いや所得格差など、さまざまな「分断」が進んでいます。そんな世界のこれからを考えるとき、広い視野を持ち、人と人の違いを個性ととらえ、お互いを認め合うことのできる懐の深い人材の育成が求められています。
   本大会では基調講演として、今治ゆるキャラ「バリィさん」の産みの親である、第一印刷社長西原孝太郎氏をお招きし、ゆるキャラを通じた地域活性についてご講演いただきます。バリィさんは、しまなみ海道の形のクラウンをかぶり、船の形の財布を持ち、「美しい橋のかかる造船の町」である今治を体現しています。そしてゆるく、かわいいキャラクターだからこそ、誰からも愛される存在となっています。
   その後のワークショップでは、自分たちの地域の魅力や、対立ではなく共感をベースにした交流のありかたを「えんたくんミーティング」という手法を用いて考えます。  
2日目には、選択性で地域理解研修を行います。しまなみ海道をサイクリングするコースと、船で巡るコースの二種類から選ぶことができます。絶景を眺めながら海の上を走るしまなみ海道は「サイクリストの聖地」といわれ、外国人も数多く訪れています。また、かつて村上水軍が縦横無尽に走り回った瀬戸内の激流を体験し、船からしまなみ海道を眺めることができます。これらを通じて実際に「体験」することで、地域の魅力を世界に発信するためのヒントをさぐります
「ゆるいからこそつながれる」。本大会では、地域を再発見し、立場の違いや利害をこえて「つながる」方法を模索することを目的とします。

「ひなたであなたと語りたい。地球人として、ともに生きる社会を目指して」(宮崎)

今日の社会において、どのような場所においてもいかなる分野においてもグローバルな視点を持ちながら多様な価値観、文化背景を持った人々との相互理解を深め、地域社会の繁栄と人類の幸福のために貢献できる人材を育成することは重要な課題である。内閣府の青年国際交流事業をはじめとする国や都道府県主催の国際交流事業に参加した青年は、生活、文化、習慣等が異なる人々と接し、様々な国の人々との交流を深めた経験を活かし、地域の国際化に貢献していくことが求められている。次代を担う青年たちが、積極的に地域に関わるとともに、広い視野をもって、国際化を推進していくための手法や実践等を共有することによって、世界に対する理解や関心を深め、地球人としてともに生きていこうとするような人材を育成することをめざし、本大会を実施する。
本大会では、神話のふるさとであり、波状岩や亜熱帯植物群落もあり、宮崎でも有数の観光地となっている青島において、青少年にどんな教育を行い、どう指導していったらよいかについて話をしてもらい、地域の人材育成を考えるきっかけづくりを行う。その後の分科会では、食文化を継承しながら地域貢献を行っている事例や中国帰国者の家族の体験談、児童養護施設の子どもたちとの交流を通して、社会貢献につながる活動参加への促進を図る。
また、平成24年から32年は、記紀編纂1300年であることから、地域理解研修においては、青島神社の由来や神話の話を聞き、古事記、日本書紀についても理解を深める。
本大会を通じて、神話、伝統文化、地域特有の自然など、地域の宝について理解を深め、魅力を再発見し、地域を大切にする心を育てるとともに、参加者同士の交流を深めることにより、広い視野をもって国際社会で活躍できる地球人を地域で育成して行くための課題を共有し、各地域での活動にいかしていくことをねらいとする。

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