主催団体である中国中国国際青年交流センターよりIYEO推薦枠をいただき、IYEO会員の方を派遣いたしました。
World Youth Development Forum 2025出席報告
2025年7月13日から7月19日の7日間、中国の蘇州および長沙にて開催された、World Youth Development Forum 2025に出席しました。

1. 開催概要
今年度のフォーラムは、"Unleash Youth Potential for Global Development"「若者の潜在能力をグローバル発展に活かす」をテーマに開催され、100カ国以上の国と地域および17の国際機関から計500名が参加しました。
またその中で、“100 Excellence Actions of the Action Plan” (100の優れた取り組み)に選抜された組織及び若手リーダーはAcceleration week Programというプログラムに参加しました。
2. 開会式
開会式では、中国政府の青年担当大臣や青年団体、国際機関の代表者が、「若者の潜在能力の可能性」についてパネルディスカッションによる深い議論が交わされました。
フェリペ・パウリエール国連青年問題担当事務次長は、気候変動、デジタル革命、格差の拡大といった地球規模の課題が山積する中、若者は受動的な傍観者ではなく時代を拓くリーダーであると述べられました。
また、国連青年担当議長であり国連人口基金(UNFPA)中国代表兼UNFPAモンゴル事務所所長のナディア・ラシード氏は、政策決定において若者を中心に据えることの重要性や、世代間の連帯および若者参画の促進、ジェンダー平等、包摂性、国際交流の推進が果たす役割の必要性について講演されました。
その他には、“100 Excellence Actions of the Action Plan“の発表及び、Action Planに選抜された若手リーダーによる行動宣言も行われました。
開会式を通じ、私たち若者が世界的社会問題を解決するうえで求められていることを再確認することができたと共に、今後、国内のみならず様々な国々と関わり合いながら、どのようにアクションを行なっていく必要があるのかを考えさせられました。
3. Acceleration Week Program
Acceleration week Programでは、世界60カ国から様々なプログラムを代表する約200名が、以下の10のワーキンググループに分かれて活動しました。
グループは、貧困削減、デジタルイノベーション、グリーン開発、気候変動対策、包摂的な教育など、世界的な社会課題における重要な分野を網羅する内容となっており、私は「10.Partnerships for the goal」に参加しました。
1.Poverty alleviation and food security
2.Future-oriented digital technology
3.Climate action
4.Protecting life below water and life on land
5.Green development
6.Inclusive and equitable quality education
7.Youth leadership development
8. Health and well-being of youth
9.Youth Employment and entrepreneurship
10.Partnerships for the goals
ワーキンググループでは、参加した若手リーダー全員がプレゼンテーションを行い、それぞれが立ち上げた組織や推進しているプロジェクトの活動内容について発表しました。加えて、メンターや専門家による質疑応答の時間が設けられ、グループ内でのディスカッションも活発に行われました。
各グループは、同じ分野に取り組む若者で構成されていたため、互いの活動やプログラムについて深く共有することができ、新たな視点やアイデアを得る有意義な機会となりました。また、活動や事業の連携可能性についても具体的に意見交換を行い、今後の協働に向けた前向きな対話が生まれました。
さらに、メンターや専門家からは、各参加者の取り組みや運営体制に対して実践的な助言をいただき、今後の活動の質を高めるうえで非常に有益な学びを得ることができました。

4. フィールドワーク
フィールドワークでは、蘇州・長沙ともに講演の聴講や様々な場所へ訪問させていただきました。
蘇州では、人工知能に関するセッションのへの参加や、中国のAI Tech企業や蘇州の大学街にあるYouth venture Platformへ訪問しました。
また、長沙では、中国最大規模のデータセンター、Hunan大学への訪問及び大学教授による中国の歴史に関する講義の受講、中国の伝統遺産について学べる美術館やIT企業へ訪問、中国の起業家の方との交流会に参加しました。
フィールドワークでは、実際に現地を訪問し、現地の方との対話を通じて、中国における各種取り組みや将来の構想、そして現在直面している課題について、具体的かつ多面的に理解を深めることができました。加えて、国籍や業種の異なる多様なバックグラウンドを持つ参加者と意見を交わし、それぞれの視点から課題を捉えることで、非常に有意義な議論と学びを得る機会となりました。

IT企業への訪問

5. フォーラムを通じた学びと総括
約1週間にわたるフォーラム期間中、世界各国から集まった同世代の参加者と積極的に交流を図り、SDGsをはじめとする多様な世界的社会課題の解決策や、各自が取り組む活動や仕事について意見交換を行いました。同世代が中心となるフォーラムであったからこそ、互いに強い刺激を受けることができたとともに、視野を大きく広げる貴重な機会となりました。
同じ分野に携わる参加者であっても、課題へのアプローチ方法は多様であり、それぞれの取り組みから多くの示唆と新たなアイデアを得ることができました。
また、公式プログラム内外での交流を通じて、世界中に尊敬できる友達が沢山できたことは、私にとって何よりも大きな財産となりました。
本フォーラムで得たつながりを今後も大切に育みながら、グローバルな視点で社会にインパクトを与えるアクションの実現に向け、日々の活動に取り組んでまいります。
このような素晴らしい機会をいただき、関係者のみなさまに心よりお礼申し上げます。
