中南米の日系社会 ~2つの国をつなぐ人々~

はじめまして、滝川 望と申します。
私は平成19年度ドミニカ共和国派遣団員として、また、平成28年度ドミニカ共和国派遣団副団長として、ドミニカ共和国に関わる機会をいただきました。また、平成20年~平成21年にかけてはペルーに交換留学で赴き、現在に至るまでどっぷり中南米と繋がっています。

今回は「中南米の日系社会」についてご紹介します!

まず、派遣団として訪問したドミニカ共和国には、ダハボン、コンスタンサ、ハラバコアという3つの主要な日本人入植地が有り、それぞれの入植地には現在でも日系人コミュニティが存在します。ドミニカ共和国派遣団では、「いずれかのコミュニティを訪問し、現地日系人の方々と交流する」というプログラムが組まれています。

平成28年度派遣団が訪問したダハボンには、移住記念碑があります。「移住前の説明とは違い、移住してみたら荒れた土地しかなかった」という苦難の歴史もあり、『「日本に帰りたい」と言いながら亡くなった方も少なくなかった』とお聞きしました。

ダハボンの移住記念碑(手前の男性はダハボン日本人会 向井会長(日系1世))

しかし、そんな過酷な状況の中でも日系移民は必死に田畑を耕し、農作の技術をドミニカ共和国に広げました。ドミニカ共和国にはもともと野菜を食べるという習慣がなく、それを広めたのは日系移民であったと言われています。

こうした苦難の歴史もある中、現在では地元の顔役を務める日系人の方も多くいらっしゃいます。遠い異国の地で力強く生き抜く皆さんの姿に、派遣団一同深く感銘を受けました。

ところで、最初に書いた通り、私は学生時代にペルーで留学していたのですが、その時のホームステイ先も日系人のお宅でした。もともと沖縄から移民した日系3世でしたが、沖縄からは、中南米はじめ各国へ移民した歴史があります。

そこで、2016年に那覇で行われた「世界のウチナーンチュ大会」をご紹介します!これは、世界各国にいる沖縄出身の日系人が、5年に1度、那覇に集まるお祭りです。ホストファミリーも来日したので、同じ家庭にステイした日本人留学生たちで会いに行きました!

各国からの日系人。スタジアムは日系人で貸し切りです。
最終的にはダンスになります(笑)

生まれや育ちは外国でも、「自分の中に流れる沖縄の血」をたどって那覇に集ってきます。その皆さんのパワーには圧倒されました。

次回は2021年、東京オリンピックの翌年です。ご興味がおありの方は、ぜひ一緒に参加しましょう!

滝川 望(平成19年度ドミニカ共和国派遣団)

関連記事一覧